久々に肩書なく一議員としての視察参加です。しっかり話をお聞きして不明な点や深掘りしたいことを積極的に質問して存分に学んできました。
1. 愛知県岩倉市 視察報告
視察先の概要(愛知県岩倉市)
ご当地紹介: 愛知県の北西部に位置し、「日本のさくら名所100選」に選ばれた五条川の桜並木で知られる。毎年春には「岩倉桜まつり」が盛大に開催される。また、戦国武将・山内一豊の生誕地としても有名。
岩倉市 人口(R7/3/1)47,935人面積10.47㎢産業別第1次 0.5%第2次 29.8%第3次 66.1%分類不能 3.6%就業人口24,010人※産業別、就業人口はR2国勢調査時豊岡市人口(R7/4/30)74,506人面積697.55㎢産業別第1次 5.6%第2次 26.6%第3次 66.5%分類不能 1.3%就業人口39,194人※産業別、就業人口はR2国勢調査時
▪️視察テーマ:プラスチック製品の資源化について
岩倉市では、令和6年4月からプラスチック製品の一括回収・資源化を開始した。これは市長のマニフェストに基づくもので、省資源とごみのリサイクルを目的としている。
主な特徴
再商品化計画の選択: 容器包装リサイクル協会(指定法人)ルートと、民間事業者による再商品化ルートを比較検討。指定法人ルートは異物除去の基準が厳しく中間処理費用が高くなるのに対し、再商品化ルートは最終処理事業者が異物処理を行うため、市町村の手間とコストを削減できるメリットがある。結果、コスト面で有利な「再商品化計画」を選択し、国から全国で21番目の認定を受けた。
周知活動と課題: ステーション方式での回収にあたり、広報誌や看板で周知を行った。しかし、一括回収の開始に伴い、従来の破砕ごみの収集が週1回から月2回に減少したため、曜日を間違える市民が続出。特に市政への関心が薄い層への情報伝達が課題となった。対策として、収集車へのポスター掲示や回覧板による周知が有効であった。
小牧市との連携: 岩倉市は小牧市と一部事務組合(小牧岩倉衛生組合)を組織しているが、今回のプラスチック資源化は岩倉市独自の取り組みとして実施された。小牧市からの事前共有が十分でなかった点や、組合の負担金への影響が未知数である点など、連携面での課題が浮き彫りになった。
▪️質疑要旨
分別と回収:
分別が徹底されていないごみは、啓発シールを貼付の上、基本的に「残置」される。コミュニティが確立している地域では周知が早いが、アパートやマンションでは徹底が難しい傾向がある。
指定ごみ袋は「もやすごみ」「破砕ごみ」「プラスチック資源」の3種類(有料)。ゴミ袋の値段は自由価格で企画さえ合っていれば参入は可能。
回収対象:
市民への分かりやすさを重視し「プラスチック100%製品」を回収対象として周知。実際には、国の基準で90%以上であればよく、多少の汚れや金属バネなどの異物が混入していても、最終処理事業者の工程で処理されるため回収している。
周知期間:
計画認定から実施までの周知期間が3〜4ヶ月と短く、市民から「短すぎる」との声があったことは市も認識している。ベッドタウンという地域特性上、チラシの全戸配布だけでは不十分であり、多様な周知方法の必要性を痛感したとのこと。
▪️所感
岩倉市の取り組みは、コストや効率を重視して民間活力を利用した「再商品化計画」を選択した点が特徴的である。市民への周知においては、短期間での制度変更に伴う混乱や、多様なライフスタイルを持つ住民への情報伝達の難しさといった、多くの自治体が直面するであろう課題が明確になった。特に「収集車へのポスター掲示」や「回覧板」といったアナログな手法が有効であった点は、今後の広報活動を考える上で参考になる。 一部事務組合を構成する小牧市との連携不足は、同様の形態をとる当組合にとっても重要な示唆を与えるものであり、広域での事業展開における丁寧な合意形成の必要性を改めて認識させられた。
2. 津市一般廃棄物最終処分場 視察報告
視察先の概要(三重県津市)
ご当地紹介: 三重県の県庁所在地。伊勢湾に面し、その海岸線の長さは日本一を誇る。ご当地グルメの「津ぎょうざ」や、藤堂高虎が築いた津城跡などが有名。また、古くから「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ」と唄われるほど、伊勢神宮への参拝客で賑わう港町として栄えた歴史を持つ。
岩倉市 人口(R7/3/1)267,795人面積711.18㎢産業別第1次 3.0%第2次 24.7%第3次 68.1%分類不能 4.2%就業人口128,881人※産業別、就業人口はR2国勢調査時豊岡市人口(R7/4/30)74,506人面積697.55㎢産業別第1次 5.6%第2次 26.6%第3次 66.5%分類不能 1.3%就業人口39,194人※産業別、就業人口はR2国勢調査時
▪️視察概要
津市一般廃棄物最終処分場は、平成28年から供用を開始した施設である。大きな特徴として、埋め立て前にごみを洗浄する全国初の「洗浄埋立方式」と、施設外へ水を一切排出しない「クローズドシステム」を採用している点が挙げられる。
⚪︎主な特徴
洗浄埋立方式: 埋め立てる不燃ごみ等を事前に洗浄することで、有機物を取り除き、ガスの発生抑制と早期安定化を実現する。これにより、一般的な最終処分場よりも早く埋立地の安定化が見込める。
クローズドシステム(覆蓋式無放流): 施設は屋根で覆われ、ごみの飛散を防止している。また、洗浄に使用した水は浸出水処理施設で高度に浄化され、繰り返し循環利用されるため、施設外へ汚水を排出しない。これにより、周辺の水環境への影響を徹底的に排除している。
公募方式による選定: 平成19年より、施設の建設地を公募方式で選定。地元から「まちづくり構想」の提案を受ける形で合意形成を図り、4箇所の候補地から選定された。これは、厳しい反対運動があった過去の経験を踏まえた手法である。
⚪︎現状と今後の計画
埋立容量は計画18万㎥に対し、現在約9万㎥。当初計画では15年で一杯になる予定であったが現時点で20%、令和38年頃に満杯になる見込み。
その他プラスチックは、伊賀市の民間業者(三重中央開発)と契約し、再商品化を行っている。ペットボトルは水平リサイクルを推進。
敷地内にはメガソーラーも設置されている。
▪️質疑要旨
まちづくり構想: 地元から提案された25項目の要望に基づき事業を進めているが、県の事業も含まれるため未完了の項目もある。10年が経過し、要望の見直しや新たな要望について地域と交渉・協議を進めている。
防水シートの安全性: 3m厚の鉄筋コンクリートの上に防水シートを設置しており、漏水検知システムが作動したことはない。
地元協力金・雇用: 年間250万円を地元のまちづくり協議会に支出。地元雇用の要望はあったが、募集に応募がなかった経緯がある。
跡地利用: 現時点で具体的な計画はないが、廃止基準をクリアしやすく、機能廃止後は多様な利活用の可能性がある。
場所選定の経緯: 住民の反対で計画が停滞した経験から公募方式を採用。選定地域は井戸水を利用していたため水への関心が高く、万一の際も汚水が流出しない現方式が採用された。
▪️所感
津市の最終処分場は、ごみを「洗浄」するという全国初の試みにより、環境負荷の低減と埋立地の早期安定化という課題解決を目指す先進的な施設である。特に、施設外に水を一切出さない「クローズドシステム」は、周辺環境、とりわけ水質への配慮を徹底したものであり、高く評価できる。
また、行政が一方的に建設地を決めるのではなく、公募方式を採用し、地域からの「まちづくり構想」とセットで計画を進めるという合意形成のプロセスは、大いに参考になる手法であるが、取り残された地域の苦渋の選択肢の側面もある。
技術的な先進性、徹底した環境配慮、そして丁寧な合意形成プロセスを兼ね備えた本施設は、今後の廃棄物処理施設のあり方を考える上で、極めて重要な示唆を与える事例であった。
⚪︎伊勢神宮
20年に一度の遷宮の予定地。令和15年の準備が進められていました。我が家の受験生2人に合格祈願のお守りを。いつぶりに来たのか全くわかりませんが、とても気持ちが引き締まるよい参詣でした。



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