2019年9月29日日曜日

会派の管外視察で福岡県へ

閉会日も過ぎ、市議会は委員会のメンバー改選など新たなスタートを切る時期となりました。
9月議会が始まるまでに何とか会派視察のレポートをと思っていましたが・・・ようやくです。

今回の会派視察は令和のゆかりの地となった太宰府に行ってみたいという声から始まりました。

1日目-福岡市-
福岡市(ふくおかし)は、福岡県の西部に位置し、近畿地方以西の西日本では2番目、東京特別区を除いた全国の市では横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市に次ぐ5番目の人口(約158万人)を擁する市。 福岡県の県庁所在地であり、政令指定都市である。九州地方の行政・経済・交通の中心地であり同地方最大の人口を有し、北九州市(北九州都市圏)とともに形成する北九州・福岡大都市圏は都市単位の経済規模において日本の4大都市圏に数えられる。日本の民間研究所が2016年に発表した「世界の都市総合力ランキング」では、世界36位と評価された。近年はグローバル創業・雇用創出特区として、北九州市とともに国家戦略特別区域に指定されている。(Wikipediaより)

福岡市
人口(R1/8/1)
1,591,123人
面積
343.46㎢
産業別
第1次 0.6%
第2次 13.8%
第3次 77.8%
分類不能 7.8%
就業人口
703,779人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時
豊岡市
人口(R1/7/1)
78,468人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 6.1%
第2次 27.0%
第3次 65.1%
分類不能 1.8%
就業人口
40,709人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時

・視察テーマ
公民連携ワンストップ窓口「mirai@」
「mirai@」(ミライアット)とは、民間事業者のみなさまと福岡市をつなぐワンストップ窓口です。公民連携のハブとして、提案受付、サポート、情報提供・情報発信等を一元的に行い、関係部局等と連携しながら、民間提案の実現をサポートします。

-役割-
多様な市民ニーズにお応えしながら、更なる行政サービスの充実を目指していますが、未だ行政だけでは解決が困難な課題も多くあるのが現状です。しかしながら、AI・IoT等の先端技術を活用することで、これらの課題を解決し、市民のみなさまがより暮らしやすい福岡市を実現できる可能性があります。 「mirai@」の役割は、社会課題解決のために、AI・IoTを含めた民間のノウハウを活用し、公民連携をさらに推進することを目的として、福岡市の窓口となり民間提案の実現をサポートすることです。公民連携のハブとして、「公民共働事業」と「実証実験フルサポート事業」の2つのプロジェクトで、福岡市の未来をつくるチャレンジを全国から募集します。

-所感-
民間や市民からの提案を受け入れ施策に反映させるという仕組みに大変関心があったのですが、実際には企業からの提案ばかりで市の持つ課題解決につながるような提案はなかなかないとのこと。また庁内の連絡調整に非常に時間を取られるとのこと。様々な問題を一つ一つ解決しながらよりよい施策になっていくものだと見受けられました。
市長の姿勢が色濃く反映されている施策でもあり、職員のマンパワーも選りすぐりが担当していることが印象的でした。また神戸市を気にされていた点は政令指定都市間の関係も垣間見えたようでした。


2日目-大牟田市-
大牟田市は石炭産業を中心とした鉱工業都市として発展してきましたが、平成9年にはまちの発展の礎であった三池炭鉱が百有余年に及ぶ歴史に幕を閉じました。これにより地域社会に影響がでているのは否めません。
しかし、今大牟田は石炭産業から発展した高い技術力と交通アクセスのよさから多くの企業に注目されています。
また市制80周年(平成9年)の年を大牟田市の「まちづくり実行元年」と位置付け、九州・山口の主要都市に約3時間で行けるという地理的特性をいかし、「やさしさとエネルギーあふれるまち・おおむた」づくりを市民の皆さんとともに取り組んでいます。(大牟田市HPより)

大牟田市
人口(R1/8/1)
114,154人
面積
81.45㎢
産業別
第1次 2.1%
第2次 24.8%
第3次 69.0%
分類不能 4.1%
就業人口
50,847人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時
豊岡市
人口(R1/7/1)
78,468人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 6.1%
第2次 27.0%
第3次 65.1%
分類不能 1.8%
就業人口
40,709人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時

・視察テーマ
大牟田市居住支援協議会(大牟田市の空家等対策の取組み→予防、利活用、適正管理の3つの視点)
空き家の増加は、まちの空洞化や地域コミュニティの低下に加え、公衆衛生の悪化や犯罪の温床など私たちの生活にも悪影響を及ぼします。特に問題となるのが、使われずに地域に眠ったままの空き家であり、全く管理されなければ数年で老朽化して危険家屋となる恐れがあります。
大牟田市では、このような「老朽危険家屋」には管理指導や解体助成制度などを行い改善に努めていますが、併せて空き家が老朽化して危険にならないような対策を進めることも重要だと考えています。

-大牟田市居住支援協議会の設立とその取り組み-
高齢者や障害者、低所得者、子育て世帯などの中で賃貸住宅等の住まいを確保するのに困難な状況におかれている人たち(住宅確保要配慮者)がいます。この状況を改善するため、平成25年度に不動産や福祉・医療、法律、行政、学識経験者などの専門家で構成する大牟田市居住支援協議会(通称「大牟田住みよかネット」)を立ち上げました。
具体的には、住宅確保要配慮者に空き家を低家賃で提供したり、民間賃貸住宅等に円滑に入居できるような支援や仕組みづくりを行うとともに、空き家の活用を推進するモデル事業に取り組んでいます。
このような取り組みを通じて、地域に眠る空き家を有効活用して、空き家の流通促進を図ることにしています。

-所感-
空き家対策についてが主事項でしたが、地方創生と地域包括ケアと空き家対策を組み合わせた課題解決型の優れた施策でありました。地域の事情や特性に合わせて良く考えられた施策であり、高専や民生委員や社協など外部との連携も理にかなっているように見受けられました。ここでも庁内の体制にしっかりとメスが入れられており、数字の成果以上の効果があるように感じられました。


3日目-太宰府市-
1300年前、当時の太宰府には、九州全体を管轄する「大宰府」(オオミコトモチノツカサ)という大きな役所が置かれ、約500年の長い間、その役割を果たしていました。今もその歴史をしのばせる大宰府跡、水城跡、観世音寺、太宰府天満宮など市内に数多くの史跡や名所が存在し、年間約894万人の観光客が訪れています(平成27年度)。 昭和30年に太宰府町と水城村が合併して太宰府町となった当時は、人口が13,264人でしたが、その後福岡都市圏の膨張、大規模開発による住宅化の進行、大学の立地、交通網の整備などにより人口は急増し、昭和57年に全国では651番目(県内では22番目)の市制を施行しました。 「史跡や緑にめぐまれた福岡都市圏の住宅都市」として発展しています。(太宰府市HPより)
大宰府市
人口(R1/7/31)
71,805人
面積
29.60㎢
産業別
第1次 0.7%
第2次 16.8%
第3次 78.1%
分類不能 4.4%
就業人口
32,211人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時
豊岡市
人口(R1/7/1)
78,468人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 6.1%
第2次 27.0%
第3次 65.1%
分類不能 1.8%
就業人口
40,709人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時

・視察テーマ
 歴史と文化の環境税
市固有の歴史的文化遺産及び観光資源等の保全と整備を図り、環境にやさしい「歴史とみどり豊かな文化のまち」を創造するため、太宰府市内にある一時有料駐車場の利用者に一定の負担を求める法定外普通税として創設。

-目的税的普通税としての駐車場税-
市の16%が国の史跡地という太宰府市。駐車料に上乗せの形で実施。15年たって浸透してきたが駐車場利用者や事業者は評価しない方が70%以上に対して、市民は概ね高評価。クルーズ船の寄港から大型バスの乗り入れが急増し一日の台数制限を実施。
徴税方法はたばこ税や入湯税と同じく申告納付。収入は基金としており、使途は文化財や観光系に限定。来訪者への環境整備を主としている。事業に関しては運営協議会へ事業提案し、年に25から26事業を実施。3年に1度税制審議会で審査も。
実施に関しては、根回しが不十分だったため反対運動が長く続いた。

-所感-
市税の減少や超過課税の廃止を見越すうえで新税案の一つとして一般課税の目的税的運用として駐車場税の話をお聞きしました。特別徴収義務者となる事業者に理解をしてもらうことが難航し、根回しの重要さを改めて感じました。また年間観光客数が1000万人(うち外国人が200万人)、通常1500台から2000台と言われる駐車台数のバックボーンがあるのも大きな強みでした。外部から税を取って、内部の整備に生かすのがやはり基本的な考え方でしょう。


今回の視察は十数年ぶりに生誕地を訪れる機会となり、盆月に祖父母の仏前におまいりも出来ました。不思議な縁を感じました。