2022年10月31日月曜日

3年ぶりに委員会で管外視察へ その1


 3年ぶりの委員会視察は建設経済委員長という大役のもと、豊岡市議会の使節団長としてくれぐれも粗相のないようと釘も刺されて。行きは同日に北海道北見市へ向かう総務委員会とバスに乗り合わせて、一路大阪伊丹空港へ。こちらのグループは空港で1時間ほどゆっくりする時間がありました。

1日目-高知県佐川町-
 佐川町(さかわちょう)は、高知県の中西部、仁淀川の支流である柳瀬川沿いに開けた盆地の町。国道33号が東西に、JR土讃線が東から南に抜けている。町の起源は、約一万年前。町内の不動ガ岩屋洞窟遺跡から出土した石器や土器の分析によって、その古い歴史が立証されている。江戸時代に入って、土佐藩筆頭家老の深尾氏がこの地をおさめるようになり、城下町として発展する一方、代々の文教重視政策によって、文教の町として礎が築かれて来た。 明治二十二年四月、市町村制施行により佐川、斗賀野、尾川、黒岩、加茂村ができ、同三十三年に佐川村が町制を施行、昭和二十九年一町三村が合併、同三十年に加茂村の一部を合併し、現在に至る。
 土佐藩筆頭家老・深尾氏の城下町として栄え、造り酒屋の酒蔵や商家を中心とした歴史情緒あふれる町並みが、今なお残っている。土佐の三大名園の「青源寺」「乗台寺」や日本の桜名所百選に選ばれた「牧野公園」など観光地にも恵まれている。
 また、明治維新に活躍した田中光顕や植物学の父とも呼ばれる牧野富太郎博士を生み出すなど、教育に熱心な文教のまちとして栄えてきた。土佐を代表する「司牡丹酒造」による酒造業や農業が盛んで、近年では自伐型林業の推進や佐川産木材と最新技術を組み合わせた、新しいものづくりにも力を入れている。

佐川町
人口(R2/10/1)
12,323人
面積
100.84㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 15.3%
第3次 78.5%
分類不能 0.6%
就業人口
5,822人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時
豊岡市
人口(R2/1/1)
78,192人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 6.1%
第2次 27.0%
第3次 65.1%
分類不能 1.8%
就業人口
40,709人
※産業別、就業人口はH27国勢調査時


・視察テーマ 自伐型林業の取組について
-メモ-
■取り組みの経緯について
・前町長と西粟倉村を視察、町が良くなるためには施業者任せがいいのか町がするのがいいのか考え、個人で所有者を探して介入するのは無理だと判断して町で。
・林業政策はどうやって売っていくかに重きを置きがちだが、佐川町では地域づくりが出発点。
・間伐率30%の国の造林事業は佐川町では実施していない。佐川町は間伐率20%を推奨。
■担い手について
・担い手の育成や雇用の創出を中心に平成25年から取り組んでこられ、現在12名の地域おこし協力隊員で取り組まれ、39名の雇用が生まれた。これまでの協力隊員で15名が林業に携わっている。
・地域おこし協力隊を3年で研修するため、町有地を研修地とし、作業道を付ける研修や町民向けのチェーンソー研修など実施。
■林地集約化について
・民有林の集約を町が中心となって交渉を行い、情報は登記簿を中心に町が独自で導入した森林ICTプラットフォームで管理している。
・林地の集約は林業の職員3名、臨時2名の5名体制。林地アドバイザーの臨時職員2名が集約化推進員と共に実施。
・集約化にあたり、山主の意向についてアンケートを実施し20年間の管理契約を結んでいる。
■付加価値について
・現在では木材を加工して付加価値を付けるための発明ラボ事業や木育の推進としてウッドスタート事業も実施されている。


-所感-
 担い手育成としての地域おこし協力隊の活用とその後のスタートアップに向けた小さな林業への補助制度、山林所有者の集約化による管理の推進、新たな可能性を見出すための発明ラボなどまちづくりとしての林業のあり方が仕組みまで落とし込まれており、町長が変わっても変わらず行われていることがすごい。

 ちなみに視察終了後にずっと同席頂いた副議長より佐川町議会の広報委員さんが議会だよりの編集中とのことで参考までにご挨拶に伺いました。当選トップ5名が4年間担当をされるとのことで、ベテラン1名と新人4名で編集作業をされていました。最も若い議員の方は地域おこし協力隊だった方だとか。地域にとって本当に良いことだなと思いました。