2023年6月21日水曜日

総務常任委員会 管外視察その2

 2日目

 早朝散歩。今市コミュニティセンター入り口の看板に自治会加入相談のも。

●石見銀山 ゆうひパーク浜田→ゆとりパークたまがわ

 まずは石見銀山世界遺産センターへ。世界遺産に登録されたのは2つの道、2つの港、4つの砦、そして銀山本体。トータルの背景で世界遺産とのこと。この地だけ見て世界遺産ということではないとのこと。

 龍源寺間歩は生野や明延より早く閉山のためか古く、低いので終始腰を屈めたまま。
 レンタサイクルとセットで満足度高いものに。
 清水谷選鉱場跡は神子畑と同じような段々。大正期に払い下げを受けた会社が設置するも一年半でやめたとか。大変な損失かと。

 戻ってくると自転車は10台もないくらい出払っていました。
 まちなみは先日NHKのEテレでみた通り。阿瀬渓谷に向かう金谷地区のような雰囲気ながら家屋やまちなみの保全は素晴らしく、レンタサイクルはおそらく100台近い台数があり、電動自転車を借りて間歩へ。廃ガソリンスタンドがレンタサイクル店に。ワンオペで大変、時間超過しても集金できないくらい。
 60軒近くリノベーションされてきた中村ブレイズという会社の社会貢献は高く評価されるべきと。

 午後からの特定地域づくり事業協同組合の視察先、山口県萩市へ。
 特定地域づくり事業協同組合の視察先、山口県萩市むつみ総合事務所。
 この旧むつみ村はイージスアショア設置予定地だったそうで防衛予算がたんまりだったとか。
 事務局長はこの村出身で部長までなられた方、まさにキーマンそのものの人物でした。

-山口県萩市-

 萩市は、山口県の北部に位置し、総面積は698.31平方キロメートルで、県土の約11.4%に当たる。北部は日本海に面し、東部は益田市(島根県)、津和野町(島根県)、阿武町、南東部は山口市、阿東町、西部は長門市、美祢市に接している。地形は、全体として東部の中国山地から北西部の日本海に向かう傾斜地で、南部市境界付近に標高700mを超える山々が連なっている。低地は少なく、阿武川河口部に形成された三角州にある市街地とその周辺地に見られ、丘陵地は、田万川地域から須佐地域にかけての臨海部に比較的なだらかに広がっている程度で、大半を山地が占めている。日本海の沖あいには、大島、相島、櫃島、羽島、肥島、尾島の六つの平らな火山島が浮かび、はるか40km先には見島がある。そのうち見島、大島、相島、櫃島は有人島。ホルンフェルスに代表される北長門海岸国定公園指定の美しい海岸線、東洋一小さい活火山である笠山、国指定天然記念物の明神池、国指定名勝の長門峡など海、山、川のすばらしい自然に恵まれている。
 気候は、沿岸部においては対馬海流の影響を受けて比較的温暖であり、中山間部においては盆地特有の気候で、変化に富んだ豊かな自然環境を有している。
 全国有数の観光都市として有名だが、第一次産業の就業者数や生産額のウェートは高く、県下でも有数の農林水産業地域と位置づけられている。コシヒカリ等の米、「千石台大根」、「山口あぶトマト」などの農産物や「萩の瀬つきあじ」、「萩の真ふぐ」、「須佐男命(みこと)いか」などの水産物は、萩のブランド産品。伝統工芸品として、「一楽二萩三唐津」と呼ばれ、我が国屈指の焼き物である「萩焼」が有名。
 日本で唯一「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」といわれるほど、毛利藩政期に形成された城下町のたたずまいが都市遺産として今なお現存している。また、吉田松陰をはじめ高杉晋作や伊藤博文など近代日本の夜明けを告げた人々を輩出した「明治維新胎動の地」。まちじゅうが屋根のない博物館のようであり、これらの歴史・文化遺産、自然を保存・活用したまちづくり、観光地づくりを、「萩まちじゅう博物館構想」と称して構想実現に向け取り組んでいる。「萩まちじゅう博物館構想」への高い評価や水の都・萩の景観を川から眺める「萩八景遊覧船」の就航、「はぎ温泉」の開湯、「おもてなし」の推進などにより観光客も近年増加傾向にある。さらに、萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾、萩城下町の5つの資産が、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」世界遺産に登録(平成27年7月)され、萩固有の有形・無形の資産を活用し、新たな観光形態である「学ぶ観光」・「教育観光」にも取り組んでいる。

萩市
人口(R4/9/30)
43,877人
面積
698.31㎢
産業別
第1次 12.1%
第2次 18.0%
第3次 68.4%
分類不能 1.5%
就業人口
21,719人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時


・視察テーマ はぎ特定地域づくり事業協同組合について
-メモ-
・昨年4月に総会5月に事業開始と出来たばかりの協同組合
・年間を通した仕事がない地域 12月まで忙しく、雪が降ると2月くらいまで仕事がない
・人材をどこかが雇用する必要 組み合わせて1年間仕事を作る
・安定した雇用環境と生活ができる賃金水準が目的
・農業が主体のところなのでそんなに職種がない
・利用料が半分、残り半分を国が1/4、特別交付税1/8、市町村が1/8 上限3千万/6人 触れ通りにはいかない
・労働者派遣法が厳しい
・加州トマトと秋冬大根の産地 手選果 15人ぐらいいるが人がいなくなってきた
・労働力がないと機械が動かないことから制度を研究 位置づけは移住定住対策の一環
・発起人は商工会と農業法人3社と酒蔵 公募ではなく5人を指名
・組合員 農協の利用事業が一番多いので山口県農協にいったが打っても響かない
・事務局職員、誰もやらないので現事務局長に 行政支援員 行政か農協もしくは兼務職員を作らないと実際は出来ない
・派遣職員 スマウトで募集 4人採用試験
・農繁期は4月から10月まで引っ張りだこ 稼働率が8割ないといけない
・労働派遣法は無期雇用が条件、10カ所あればお互い派遣契約を結ぶ必要がある
・労働派遣文弥は定款の中にきっちり書いていないと認められない 定款に無いものは改めて定款変更の手続きがいる
・労使協定 最賃1000円 通勤手当は派遣にはなじまない キロ15円費用弁償
・派遣利用料金10% 翌月請求 草刈り1.2倍休憩もはさむ オペレーターでコンバインなど1.5倍 派遣実績に応じて組合賦課金
・勤務地は地域内だが冬は仕事がないので出稼ぎで萩市内へ 水産加工業は贈答品で忙しい
・これまではパートの人が多かった 厚生年金だけでも将来役に立つかがわかると伝えている
・事務局長 派遣先の調整を毎日 シフト表を作っている
・福利厚生で業務災害補償と賠償責任保険に加入 派遣法では不要ながら
・法定旧家は守ろうと思うができない、振替日がない
・労働省はキャリアアップ前提だが3年でやめられたら困る
・年間雇用が難しい企業にとって期間雇用 出資は個人1口5万、法人は2口から
・問い合わせはだんだん増えてくる 出資金は捨て金ではない
・職員は通算5人 指名もある
・インボイスも仕入れ消費税として
・国はマルチワークで働くということがあるので80%を切ると厳しい
〇質疑
・派遣を希望するところでないと組合員にならない 銀行は中小企業ではない
・派遣事業以外の儲かる事業をしている事例もある
・農業振興施策でないと移住政策担当で進めると難しい
〇所感
 事業立ち上げ時の混乱と軌道に乗ってきた継続の安心との両方を感じ、起業したころのことを少し思い出した。事務局長が正にキーマンで扇の要だが、色々な地域でこの仕組みを導入するのは起業以外の何物でもないため本当に難しいと思う。
 総務省は地域おこし協力隊の卒業後の新たなステージとしてこの形態をイメージしているが、現実には事務処理に長けた経営人材が必要不可欠であり、その人材自体は極めて少ないと言える。
 一方で副業やフリーワークが進む中、この事業形態は可能性を秘めているともいえる。
かの
3日目
 
早朝散歩。市内は地下道が多く設置されており、これだけでも国の手厚さが伺えます。また全域過疎地域に指定されており、明倫学舎整備に24億!国の手厚さが感じられます。

●萩城下町
 この視察2カ所目の世界遺産、松下村塾と松陰神社へ。
 綺麗に掃き清められており、株式会社ショウインの文字があちこちに。この地この場所はまさに聖地であることは間違いなく、お守りを3人分購入、売店で夏みかん関連などを買う。
重い、大失敗!!
 循環バスで萩市役所に向かい、その後レンタサイクルを借りて萩博物館へ。レンタサイクル2回目&ガイド2人目。行く途中でバスと運転手さんを発見し、荷物を置くことに成功!
 近代化の礎としての世界遺産、その長州ファイブは政治2人、鉄道、造幣局、東大工学部の祖それぞれ1人づつという構成員。
 萩という地形の特殊性と町並みの保全による土壁による風除けを伴った夏みかん栽培の産業化が特に印象深かった。
 伊予藩から来た方が夏みかんを持ち帰って改良したものがイヨカンであり基は萩とのこと、いよかんも栽培してると悔しそうなガイドさんの顔も良かった。
 博物館では山内、毛利と戦国時代から自然の話、町並み、維新の家柄など多岐に。まちづくり、国づくりは人こそ礎。長州ファイブのロンドン大学密航チャレンジは1人千両を支払っているとのこと。人に投資する強み、その縁を顔写真見ながら説明受けて改めて感じました。
 見事な町並み、武家屋敷群を抜けてレンタサイクルを返却し、3人目のガイドが待つ萩・明倫学舎へ。
 産業革命遺産の5つのうち、城下町や松下村塾以外の3つは反射炉、たたら製鉄遺跡、造船所跡と全て戦に関してのものでした。
 幕末ミュージアムと世界遺産ビジターセンターの2部構成でしたが、幕末ミュージアムはおがわさんという古美術商をされていた方の寄贈コレクションとのこと。一級品の資料ばかりで見事です。
 萩の産業は夏みかんと萩焼かな?と思いつつ、何気に萩焼については説明がなかったのはあえてなのか。
 最後、完成しなかった反射炉に寄って全行程終了。反射炉は無念さがここまで現存する原動力なことに疑う余地はなく、立地や海運など条件が全て整っているのに、さぞ悔しかったことと思います。

・追記
 山陰地方の石州瓦の家並みは美しく、豊岡だと森尾の平尾邸だと村岡議員が言われたのは印象的でした。また萩市街地の街路樹はあまり大きくならない盆栽の様な樹木でした。
 石見銀山の町並み、リアルな生活と観光の両立というか住み分けは気になる所。せっかく移住してきたのに生活圏に他人の目が入ってくるのはどうなんだろう。
 反射炉を見せてもらえて完成した直轄地韮崎と見せてもらえずスケッチだけだった長州。佐賀に対する恨みは深いと感じた。

・帰路道の駅
 ゆとりパークたまがわ→ゆうひパーク浜田→キララ多伎→琴の浦→大山恵みの里→西いなば気楽里→道の駅山陰海岸ジオパーク浜坂の郷 約9時間

2023年6月10日土曜日

総務常任委員会の管外視察 その1

 今年度の委員会視察は総務委員長という役目と共に、全行程小型バスでの移動という日程で、鳥取を横断して、目的地島根・山口へと向かいました。

 道中スムーズで、予定よりかなり早く着いたので議場を先に見学。病院管理者が教育長の隣にあり、市営なのかと。傍聴席はパイプ椅子。可動式。
 質問席は隣に椅子席あり。手元画面には全体と同じく残り時間など表示。
 庁舎のサインや色使いが役所らしくなくポップ、案内も課名でなく内容表示されており、利用者に配慮されています。

1日目-島根県雲南市- 道の駅山陰海岸ジオパーク浜坂の郷→西いなば気楽里→大山恵の里→さくらの里きすき

 雲南市は、島根県の東部に位置し県都松江市と出雲市の南に隣接、南部は広島県に接している。南部は毛無山(1,062m)を頂点に中国山地に至り、北部は出雲平野に続いていることから、標高差が大きく、市内には、斐伊川本流と支流の赤川、三刀屋川、久野川、その支流である阿用川、吉田川などが流れている。加茂町から大東町、木次町、三刀屋町にかけて、斐伊川と赤川、三刀屋川の合流地点を中心とした平坦部が広がっており、吉田町、掛合町では中国山地に至る広範な山間部を形成している。中国山地を源とする県東部最大の河川である斐伊川が古くから内陸水運が暮らしや経済を支えてきた。斐伊川本流とその支流である三刀屋川や赤川、久野川等の結びつきから、地勢的な連続性があり、水系による一体性のある地域といえる。

 総面積は553.18キロ平方メートルで島根県の総面積の8.3%を占め、その大半が林野である。平成26年度に中国横断自動車道尾道松江線が全線開通し、新たに山陽、四国方面と高速道路で結ばれ、産業や観光の分野において、さらなる交流の促進が期待される。
 ヤマタノオロチ伝説で知られ、各地に神話や伝説、神楽などが伝承されており、加茂岩倉遺跡や神原神社古墳をはじめとした多くの遺跡や古墳が発掘されている。国宝に指定された銅鐸やたたら製鉄など、地域特有の歴史や文化をもつ。また、農村景観や神楽、囃子など、暮らしに根ざした農村文化が豊富であり、日本のふるさとの原点ともいうべき歴史・文化が息づいている。
 斐伊川の支流周辺の低地では農耕が営まれ、山間地ではたたら製鉄や炭焼きがさかんに行われてきた。有機農業の取り組みが盛んで、新鮮で安全な農産物や食材が豊富に生産されている。また、県内有数の製造業の集積地であり、加えて、商業集積もすすむなど地域の雇用を支えている。また、山陰と山陽を結ぶ主要街道上に位置することから、陰陽を結ぶ交通の要衝として栄えてきた。

雲南市
人口(R4/4/1)
36,148人
面積
553.18㎢
産業別
第1次 9.3%
第2次 26.7%
第3次 60.0%
分類不能 4.0%
就業人口
19,267人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時


・視察テーマ 小規模多機能自治について
-メモ- 小規模多機能自治による住民主体のまちづくり
・地域運営組織であり、規模は昭和半ばの小学校区域、明治くらいの村の単位。
・取り組みは3つ 持続可能性の確保(地域づくり)、安心安全の確保(地域福祉)、歴史文化の活用(生涯学習)
・考え方は一人1票とし、色々な意見を取り入れよう
・拠点は30組織、すべて交流センターを指定管理
・平成22年に公民館を廃止
・地域計画は任意だが昨年度末で全ての地域で策定済み
・中学生以上対象に一人1票の住民アンケートを実施、回答率山間部90%、都市部70%程度
・H19年合併後、44組織から15年以上変遷を重ねている
・常設事務局が2人と非常勤3人くらい、地域が直接雇用。30人くらい職員がいるところもある。
・水道検診や有料ボランティアなど雇用して時給制
・地域づくり活動等交付金 平均1000万トータル3億くらい 8割5分が人件費
・交付金の財源は過疎債と介護保険
・指定管理料は維持管理費のみ百数十万で人件費は活動交付金内 管理が仕事になってしまう 活動が重要
・人口減少 人の繋がりは2割減で4割減ってしまう 5人で10通りが4人で6通り
・ネットワークづくりが重要
・小規模多機能自治組織と自治会の違いは、補うような補完性の関係が重要
・防災上、市と協定を結び交流センターが指定避難所で一番最初に開くことになっている
・避難をどうやってするのか お互いの役割分担をしながら相乗効果を発揮(地域の総力)
〇事例
・預かり保育:公立幼稚園を自分たちで預かり保育 農村部で昔からの慣習、他地域でも同様
・ごはんのじかん:嫁に来ても話をする機会がない、家庭の味の伝承がない→あつまってはじめられた 年6回くらい、コンサートなども
・はたマーケット:商店が閉店 廃校になった学校の1室で平日のみ 1000品目 交流センターの中にあり公民館では社会教育法上実施出来ない取り組み たすけ愛号は地域内送迎
・笑んがわ市:JAが閉店 サロンと産直市を1週間に1回開設 地域内でお金を回す仕組み 移動販売なども来る
・安心生活見守り事業:水道検針と見守り 24時間体制で避難行動要支援者の見守りSOS
・移動支援:地区内300円
・福祉カード作成:住民台帳を作る 個別に了承を得て作成 お願い会員とまかせて会員
・黄色い旗運動:朝上げて夜しまう 全世帯で実施 つながりや防犯に
・農家レストラン:昼食会場 ふるさと納税にもつながっている
・体験型宿泊施設:早稲田大学とコラボ
〇ポイント
・高齢者の福祉関係に重き
・子供たちへの取組 地域独自の預かりはどこも力を入れている
・仕組み自体も3年に1度くらい制度の見直しをし、状況に応じた取り組み
・小さい地域の方が参加率は多い
・国の補助金なども自分たちで取ってくる
・危機感がない地域はない
・次の担い手が大きな課題 担い手育成補助金も制度化、財源はふるさと納税
・自主組織はほとんど任意団体でNPOなどはそぐわない
・制度を変えていくことをいとわない
〇所感
 豊岡市の地域コミュニティの取組のはるか先を進んでいる事例の数々は圧巻!
 地域住民の方が危機感を持ち、主体的に楽しみながら課題解決を考えて試行錯誤しながら実施されており、あらゆる知恵や工夫、考えが取り組みを生み出し続けて成果に結びついているのだと実感。豊岡市も抜くところと力を入れるべきところを学ぶべきと感じた。
 また事例は内発的であり、地域コミュニティ組織の方こそ意見交換しながら学べることが多いように思いました。