2020年10月20日火曜日

豊岡駅前再開発商業施設「Aity」にかかる市議会の動き

 9月議会開会前の8月上旬から当局より説明を受け、ただ事ではない事態だと感じた。
 単純に聞けば先方よりの最後通牒であり、実質的に市が運営しているともいえる第三セクターの存続問題に直結した事態。当局の慌てぶりは当然のことだと感じた。

 ただ実質的には先方にとって、市の介入により負担軽減はあるものの赤字の解消とはならず、問題の根本つまり商業施設の機能回復には至らないため手立てとしては不十分ではないかと思えた。

 9月議会開会において、追加補正予算として上程された提案では7階子育て総合センターの4階への移動や生きがい創造学院の再移転案など既存事業の寄せ集め感は否めず、そのための計画策定や床購入、大雑把な遊具費などの予算案が示された。

 目の前の整備費はおおよそが臨時交付金や合併特例債などの活用で賄うことが可能とのことだが今後のランニングコスト(4階の新規取得分だけで4千万超)は毎年事業費以外で新たに負担することになる。

 これまで市の財政は長期的にも赤字化が進むとのことで、県下で唯一乳児医療費の無料化を実施せず、子ども医療費無償化も上限を設けての受益者負担を原則とし、インフルエンザの予防接種補助拡大などわずかな費用負担であっても多くのことを見送ってきた経緯がある。

 その話と今回の話は別であるという言葉も聞いた。だが財布は同じ所にある。(ふるさと納税なら市民負担はゼロであるという言葉も聞いたが・・・)

 新聞に取り上げられた2つの分科会(建設経済分科会と文教民生分科会)でこの補正予算は否決されたのであるが、商業施設の存続がノーであると言ったわけではなく、多額の初期費用と今後のランニングコストが見込まれる議案に対して考える時間があまりにも短いのではないかというのが主である。

 その後、9月24日の予算決算委員会で賛否を問うことは継続審議ということで延長戦となり、9月29日の閉会日に慎重派が意見提言書を提出する運びとなった。

 その後の結果は市のHPやメディアで取り上げられた通り、該当する補正予算を含む議案は継続審査として10月臨時議会が開催される運びとなり、議論をする時間が確保されたのだが、対話という名の説得が繰り返され市からの提案が議会からの投げかけによって変わることはなく、最終的には原案可決となった。

 「政治家は結果が全て」という市長の言葉に感銘を受け、事実上ノーサイドかと思ったが、その後防災無線等でこれまでの経緯を再度市民に放送。経緯にこだわる姿を見て大変残念に感じた。

 20年後、30年後に向けた責任をどう考えていくのか。第2ラウンドは新年度予算の3月議会へと持ち越されています。