2023年9月29日金曜日

議会日程をぬって視察ラッシュでした(前半)

 コロナが明けて、ほぼ3年ぶりくらいに議会の各特別委員会でも視察日程が組まれました。
 公私あまりにも多忙すぎるため、まとめに時間がかかってしまいましたが、公費でまちのためにしっかり勉強させていただく身として、見聞きするあらゆる事象から学びを得たいと思い、復習も兼ねてレポートしてまいります。

〇豊岡病院組合議会管内視察(5/22)
 以前日高医療センターについては聞き取りしたため、今回は残りの朝来医療センター、出石医療センター、公立豊岡病院をそれぞれ訪問してお話をお聞きしました。
 出石も朝来もそれぞれの院長先生の熱意や取組がセンターの持ち味につながっています。病院組合で大枠が決められる中、各医療センターの裁量もまた大きく経営に関与しており、うまく連動する仕組みとしての情報連携ネットワークの構築がさらに進化を促すのではと思いました。日高医療センターの診療所化もそうですが、普段病院にかかることがない健康な方のイメージする病院像と現実の状況はかなりズレがあるのではないでしょうか。
 一つの病院で完結する時代ではなく、急性期、回復期、慢性期など状態に応じて医療機関を変えていく、もしくはその症状を得意とする医師がいる医療機関を選ぶ、医師に直接訪問してもらったりオンラインで相談するようになってきています。

〇交通網問題対策等特別委員会県内視察(7/13)
 テーマ:地域公共交通の取り組み
 ・三田市「中型自動運転バスの実証実験について」

三田市
人口(R4/10/1)
108,577人
面積
210.32㎢
産業別
第1次 2.3%
第2次 22.8%
第3次 71.7%
分類不能 3.2%
就業人口
49,763人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時


・プレオールドタウンと化しているニュータウンの対応が中心
・実証地はウッディタウン、車道と歩道が明確に分かれている路線
・歩行者との混在が発生しないことがポイント
・将来的な生活路線として見込めるので選ばれた
・ウッディタウンは住系統 昼間の需要がほとんどなく交通渋滞は一切ない状況で運行
・現状はL2 L4を目指す
・アンケートでは、乗り心地や料金より安全性
・試乗した方は安全性への期待値は下がる
・基軸としてバス路線 1億3千万/台 車両価格が下がらないと手が出せない
・3つあるニュータウンのうち一番大きいウッディタウン 高齢化は深刻化していない
・三田里山スマートシティ構想はデジタルを活用してモビリティに 賑わい創出に効果を出したい
・1日6便無料 路上駐車は自動運転で判断できない
・グリーンスローモビリティ フラワータウンのラスト1マイルの手段として運行実証実験中

-所感-
 一言で言うと自動運転のハードルはまだまだ高く、自然環境が豊かな豊岡ではとても遠い交通モードという印象でした。


 ・猪名川町「チョイソコいながわについて」

猪名川町
人口(R5/4/30)
29,335人
面積
90.33㎢
産業別
第1次 2.6%
第2次 18.3%
第3次 75.4%
分類不能 3.7%
就業人口
13,228人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時

・アイシン精機がデマンド交通チョイソコ豊明市を実証 無償貸与
・会員登録制で予約は電話かネット
・乗り合い交通なので最大5分のずれしか発生しない
・全路線バスが慢性的な赤字
・コミュニティバスと路線バスは重複
・ネッツトヨタ神戸 車を売る時代から車がある社会で安全安心に暮らせるか提案
・福祉タクシーや介護タクシーとの競合はなく調整もない
・顔認証システムを導入 ショッピングなどへの利用実績はそこまでなく辞める

-所感-
 単純にいえばネッツトヨタの取り組みそのもので、町として交通モードの選択肢の一つではあるがウェイトは低め。路線バスの維持が最重要課題でした。


〇議会運営委員会管外視察(8/3-4)
 テーマ:議会改革の取り組み
 ・三重県いなべ市「議会運営及び議会改革について」

いなべ市
人口(R5/7/1)
44,841人
面積
219.83㎢
産業別
第1次 2.1%
第2次 59.8%
第3次 28.4%
分類不能 9.7%
就業人口
29,997人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時

・早稲田大の議会改革ランク 条例制定前は700位から800位 制定後2021年39位2022年98位
・議会だより紙面全ページフルカラーにリニューアル
・意見をハガキからフォームに変更し5~60件から倍増
・ICT推進基本方針はほとんどできている
・議会だよりの電子化やカタログポケット配信 HPも10月には再整備完了
・意見箱を3カ所設置
・参考人制度を活用して請願者による趣旨説明の機会
・議会基本条例の検証は地方議会成熟度評価モデルを活用して見直し
・検証評価の肝は議員一人一人に自己評価表を配っての振り返り
・事業評価は基本事業を拾ってぶら下がる事務事業すべてを検証
・事業評価シートを持ち寄って討議
・住民参画が大きな課題これから取り組んでいく
・検証評価は昨年まで各会派から1名 今年度から正副+リーダー3人サブリーダー3人の8人
・行政改革はコスト削減 議会改革は定数削減や報酬ではなく住民福祉向上のため

-所感-
 初めての議会運営委員会としての他議会の視察でした。同じ年齢、同じ姓、同じ職員上がりの委員長が当たり前に質の高い議会改革を進めている姿をみて、豊岡市の議会改革の至らなさに愕然としました。年1回の議会条例の検証や議会改革ランキングの向上など取り組んでいかなければなりません。良い市政と良い議会がそろって初めて良い町づくりが出来るのだと思います。ちなみに但馬で最高ランクは朝来市議会269位でした。

 ・三重県四日市市「議会運営及び議会改革について」

四日市市
人口(R5/7/1)
308,379人
面積
206.50.㎢
産業別
第1次 1.25%
第2次 33.18%
第3次 62.13%
分類不能 3.44%
就業人口
139,499人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時

・本会議も委員会もネット配信、youtube、ケーブルテレビ テロップはケーブルテレビ
・電子採決や大型スクリーンは議会費でなく総務費で整備2700万くらい
・市議会モニター制度 可能な限り傍聴頂き文書で意見を提出 議会を知ってもらう機会 60歳以上がほとんど
・シティミーティングは議会基本条例の3本柱のひとつ 議会としての考え方を知ってもらう 参加者の固定化や若い人が少ない
・出前型ワイワイ会議 高校や大学など学校に出向く
・報告会の実施状況や評価課題、意見交換会の意見は整理してHPや議会だよりで報告
・議案に対する意見募集は委員会審査に活用 数が少ない 市民の関心の高い議案をピックアップしたい
・高校生議会は高校生の意見として提出できる機会は貴重との意見
・議員政策研究会 全議員が一堂に会して政策立案の場として設置 全体会と各テーマごとの分科会 各会派から募集して全体会で決める 市長に提言
・政策サイクル 予算編成に向けた政策提言を取りまとめ、次年度当初予算に反映させる 論点整理シートをもとに全体外で議論
・論点整理シート8月、提言チェックシート2月執行部にも記載
・通年議会 350日間を定例会年1回の期間 緊急議会は臨時会 休会中の活動がしやすくなった
・補助金に関する調査を大学に依頼 政策提言を市長に
・議会アドバイザー制度は固定費はかかっていない

-所感-
議長選挙は正に選挙であり、所信表明演説で方針を発表するとのこと。リーダーを決める取組みとして当たり前のことだと気づきました。また四日市はコンビナートのぜんそく訴訟で市民や議会が一丸となって公を動かしてきた経緯・熱意が今なお息づいていると感じました。

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