2023年6月10日土曜日

総務常任委員会の管外視察 その1

 今年度の委員会視察は総務委員長という役目と共に、全行程小型バスでの移動という日程で、鳥取を横断して、目的地島根・山口へと向かいました。

 道中スムーズで、予定よりかなり早く着いたので議場を先に見学。病院管理者が教育長の隣にあり、市営なのかと。傍聴席はパイプ椅子。可動式。
 質問席は隣に椅子席あり。手元画面には全体と同じく残り時間など表示。
 庁舎のサインや色使いが役所らしくなくポップ、案内も課名でなく内容表示されており、利用者に配慮されています。

1日目-島根県雲南市- 道の駅山陰海岸ジオパーク浜坂の郷→西いなば気楽里→大山恵の里→さくらの里きすき

 雲南市は、島根県の東部に位置し県都松江市と出雲市の南に隣接、南部は広島県に接している。南部は毛無山(1,062m)を頂点に中国山地に至り、北部は出雲平野に続いていることから、標高差が大きく、市内には、斐伊川本流と支流の赤川、三刀屋川、久野川、その支流である阿用川、吉田川などが流れている。加茂町から大東町、木次町、三刀屋町にかけて、斐伊川と赤川、三刀屋川の合流地点を中心とした平坦部が広がっており、吉田町、掛合町では中国山地に至る広範な山間部を形成している。中国山地を源とする県東部最大の河川である斐伊川が古くから内陸水運が暮らしや経済を支えてきた。斐伊川本流とその支流である三刀屋川や赤川、久野川等の結びつきから、地勢的な連続性があり、水系による一体性のある地域といえる。

 総面積は553.18キロ平方メートルで島根県の総面積の8.3%を占め、その大半が林野である。平成26年度に中国横断自動車道尾道松江線が全線開通し、新たに山陽、四国方面と高速道路で結ばれ、産業や観光の分野において、さらなる交流の促進が期待される。
 ヤマタノオロチ伝説で知られ、各地に神話や伝説、神楽などが伝承されており、加茂岩倉遺跡や神原神社古墳をはじめとした多くの遺跡や古墳が発掘されている。国宝に指定された銅鐸やたたら製鉄など、地域特有の歴史や文化をもつ。また、農村景観や神楽、囃子など、暮らしに根ざした農村文化が豊富であり、日本のふるさとの原点ともいうべき歴史・文化が息づいている。
 斐伊川の支流周辺の低地では農耕が営まれ、山間地ではたたら製鉄や炭焼きがさかんに行われてきた。有機農業の取り組みが盛んで、新鮮で安全な農産物や食材が豊富に生産されている。また、県内有数の製造業の集積地であり、加えて、商業集積もすすむなど地域の雇用を支えている。また、山陰と山陽を結ぶ主要街道上に位置することから、陰陽を結ぶ交通の要衝として栄えてきた。

雲南市
人口(R4/4/1)
36,148人
面積
553.18㎢
産業別
第1次 9.3%
第2次 26.7%
第3次 60.0%
分類不能 4.0%
就業人口
19,267人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時
豊岡市
人口(R4/10/1)
75,500人
面積
697.55㎢
産業別
第1次 5.6%
第2次 26.6%
第3次 66.5%
分類不能 1.3%
就業人口
39,194人
※産業別、就業人口はR2国勢調査時


・視察テーマ 小規模多機能自治について
-メモ- 小規模多機能自治による住民主体のまちづくり
・地域運営組織であり、規模は昭和半ばの小学校区域、明治くらいの村の単位。
・取り組みは3つ 持続可能性の確保(地域づくり)、安心安全の確保(地域福祉)、歴史文化の活用(生涯学習)
・考え方は一人1票とし、色々な意見を取り入れよう
・拠点は30組織、すべて交流センターを指定管理
・平成22年に公民館を廃止
・地域計画は任意だが昨年度末で全ての地域で策定済み
・中学生以上対象に一人1票の住民アンケートを実施、回答率山間部90%、都市部70%程度
・H19年合併後、44組織から15年以上変遷を重ねている
・常設事務局が2人と非常勤3人くらい、地域が直接雇用。30人くらい職員がいるところもある。
・水道検診や有料ボランティアなど雇用して時給制
・地域づくり活動等交付金 平均1000万トータル3億くらい 8割5分が人件費
・交付金の財源は過疎債と介護保険
・指定管理料は維持管理費のみ百数十万で人件費は活動交付金内 管理が仕事になってしまう 活動が重要
・人口減少 人の繋がりは2割減で4割減ってしまう 5人で10通りが4人で6通り
・ネットワークづくりが重要
・小規模多機能自治組織と自治会の違いは、補うような補完性の関係が重要
・防災上、市と協定を結び交流センターが指定避難所で一番最初に開くことになっている
・避難をどうやってするのか お互いの役割分担をしながら相乗効果を発揮(地域の総力)
〇事例
・預かり保育:公立幼稚園を自分たちで預かり保育 農村部で昔からの慣習、他地域でも同様
・ごはんのじかん:嫁に来ても話をする機会がない、家庭の味の伝承がない→あつまってはじめられた 年6回くらい、コンサートなども
・はたマーケット:商店が閉店 廃校になった学校の1室で平日のみ 1000品目 交流センターの中にあり公民館では社会教育法上実施出来ない取り組み たすけ愛号は地域内送迎
・笑んがわ市:JAが閉店 サロンと産直市を1週間に1回開設 地域内でお金を回す仕組み 移動販売なども来る
・安心生活見守り事業:水道検針と見守り 24時間体制で避難行動要支援者の見守りSOS
・移動支援:地区内300円
・福祉カード作成:住民台帳を作る 個別に了承を得て作成 お願い会員とまかせて会員
・黄色い旗運動:朝上げて夜しまう 全世帯で実施 つながりや防犯に
・農家レストラン:昼食会場 ふるさと納税にもつながっている
・体験型宿泊施設:早稲田大学とコラボ
〇ポイント
・高齢者の福祉関係に重き
・子供たちへの取組 地域独自の預かりはどこも力を入れている
・仕組み自体も3年に1度くらい制度の見直しをし、状況に応じた取り組み
・小さい地域の方が参加率は多い
・国の補助金なども自分たちで取ってくる
・危機感がない地域はない
・次の担い手が大きな課題 担い手育成補助金も制度化、財源はふるさと納税
・自主組織はほとんど任意団体でNPOなどはそぐわない
・制度を変えていくことをいとわない
〇所感
 豊岡市の地域コミュニティの取組のはるか先を進んでいる事例の数々は圧巻!
 地域住民の方が危機感を持ち、主体的に楽しみながら課題解決を考えて試行錯誤しながら実施されており、あらゆる知恵や工夫、考えが取り組みを生み出し続けて成果に結びついているのだと実感。豊岡市も抜くところと力を入れるべきところを学ぶべきと感じた。
 また事例は内発的であり、地域コミュニティ組織の方こそ意見交換しながら学べることが多いように思いました。

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