あまり来る機会がない広島県、しかも山間部の三次市へは一昨年の病院組合議会の視察以来2度目の来訪。前回は時間調整のために停車だけしていた三次ワイナリーへ行けるのか?!
〇1日目
・三次市議会 視察報告
中国山地の豊かな自然に抱かれた盆地に拓けたまち。全国にその名を知られる「三次ピオーネ」は種なしぶどうの先駆けであり、市内のワイナリーが造るワインも高い評価を得ています。文化面では「奥田元宋・小由女美術館」が知られ、夏の風物詩「鵜飼」は450年の歴史を誇ります。山間部でありながら「ワニ」と呼ばれるサメを食べるユニークな食文化も残っています。
三次市の基本データ
| 三次市 | 人口(R7/7/1) | 46,796人 | 面積 | 778.18㎢ |
産業別 | 第1次 10.5% | 第2次 21.9% | 第3次 65.5% | 分類不能 2.0% |
就業人口 | 24,930人 | ※産業別、就業人口はR2国勢調査時 |
豊岡市 | 人口(R7/4/30) | 74,506人 | 面積 | 697.55㎢ |
産業別 | 第1次 5.6% | 第2次 26.6% | 第3次 66.5% | 分類不能 1.3% |
就業人口 | 39,194人 | |
(1) 視察目的
三次市議会における先進的な議会改革、特に市民との対話や多様な媒体を活用した広報広聴活動について調査・研修を行い、当市議会の運営と改革に資することを目的とする。
(2) 主な研修内容
議会改革の取り組み(広報広聴常任委員会): 「広報広聴常任委員会」が中心となり、市民に開かれた議会を目指し、多角的な取り組みを展開。
議員と話そう会(意見交換会): ワークショップ形式へ移行し、議員がファシリテーションを学ぶことで、参加者全員が発言しやすい環境を構築。
中高生との交流会: 主権者教育の一環として、生徒が主体的に地域課題を議論し、議場で政策提言を発表。
市議会ブースの出展: イベントで「シール投票」などを実施し、市民の生の声を聴き、その結果を次の活動に活用。
情報提供の強化: ケーブルテレビやインターネットでの本会議中継に加え、議員自らが出演し審議結果を解説する広報番組「市議会トピックス」を放送。
その他の取り組み: 災害時に情報を共有するタブレット活用、議員活動のPDCAを促す「自己検証シート」のHP公開、多様な人材の議会参画に向けたハラスメント防止や処遇改善の検討など。
(3) 所感
三次市議会の改革は、市民との双方向のコミュニケーションを重視している点が特徴である。形骸化しがちな意見交換会をワークショップ形式へ転換した工夫や、市民の関心を可視化して政策課題に繋げる「市議会ブース」の取り組みは、即時性があり、イベント出展は当市でもすぐに出来るかと。また、議員のなり手不足という共通課題に対し、議会全体で危機感を共有し、具体的な対策に乗り出している姿勢も学ぶべき点が多い。
〇三次ワイナリー
興奮のあまり写真を撮り忘れてしまいました。ピオーネの産地として有名な三次市、ワインコンテストでいくつもの賞を取った白ワインが有名とのこと。すっごく甘いワインでした。お店の方にお勧めをお聞きし、2本購入。バスでの視察だからこそ買える重さでした。
〇2日目
広島から岡山に移動。中国道の道の古さ、工事の多さに辟易。路面が荒れ、工事で車線が制限されててさらに狭く感じます。運転手さんの疲れ倍増ですね。
〇真庭あぐりガーデン
昼食会場ということだけしかインプットされていなかったので、想像以上の施設でした。大規模バイオマス発電のトップクラスのご当地、世界中からも視察が来られるとのことで、バイオ液肥など活用した循環型社会の見本のような取り組みも多く、北但行政で視察に来るべき地でもあると感じました。また施設そのものは10周年とのこと。産廃を扱う民間事業者が実施運営をしているという点でも素晴らしい事業だと感動しました。
・真庭市議会 視察報告ご当地紹介:岡山県真庭市
岡山県の北部に位置し、鳥取県と境を接する、県内最大の面積を誇る市。西日本有数のリゾート地である「蒜山高原」や、国民保養温泉地に指定されている名湯「湯原温泉」を擁し、豊かな自然と観光資源に恵まれています。木質バイオマスの活用など、サステナブルな地域活性化施策を積極的に実践しているまちです。
真庭市の基本データ
| 真庭市 | 人口(R6/4/1) | 42,207人 | 面積 | 828.55㎢ |
産業別 | 第1次 10.7% | 第2次 25.2% | 第3次 63.8% | 分類不能 0.2% |
就業人口 | 21,906人 | ※産業別、就業人口はR2国勢調査時 |
豊岡市 | 人口(R7/4/30) | 74,506人 | 面積 | 697.55㎢ |
産業別 | 第1次 5.6% | 第2次 26.6% | 第3次 66.5% | 分類不能 1.3% |
就業人口 | 39,194人 | |
(1) 視察目的
合併以来、先進的な議会改革を継続している真庭市議会を視察し、特に議会主導の政策提言のプロセス、戦略的な情報発信、ICT活用などの取り組みについて学び、当市議会の活性化に繋げる。
(2) 主な研修内容
戦略的な議会改革:「政策提言」「市民参加」「情報公開」を三本柱として14の活性化策を推進。進捗を管理する「検証部会」を設置し、実効性を高めている。
議会主導の政策提言: 最大の特徴。1年半という時間をかけて調査・研究を行い、議員による政策討論会を経て、全会一致で合意形成されたものだけを市長に提言する。
多様な市民対話: 「ざっくばらんに語ろう」会や高校生との意見交換会に加え、2年に1度、著名人を招いた大規模な「議会講演会」を実施し、市民の関心を惹きつけている。
情報発信と透明性確保: YouTube「議会ヘッドライン」などで議員自らが情報発信するほか、議員側の発議で政務活動費の領収書をインターネット公開するなど、高い透明性を確保。
(3) 所感
真庭市議会の改革は、非常に戦略的かつ継続的である。特に、時間をかけて全会一致で政策提言をまとめ上げるプロセスは、議会の提言に実質的な力を持たせる「提案・政策立案型議会」の好事例である。会派ではなく「委員会主義」を徹底し、新人・若手議員の研修に力を入れることで、議員一人ひとりの能力向上を図る姿勢も見習うべきである。市民からの信頼を得るための不断の努力が、議会への関心の高さに繋がっていると感じた。